古代エジプト語の再構築という仕事

ヒエログリフの練習問題をやっていて、
その文字構成の複雑さを思い出し、
先人たちのその苦労を思いやらずにはいられない気がした。
一般に、シャンポリオンがロゼッタ・ストーンでヒエログリフの解読に成功した、と
簡単に考えられているが、
「クレオパトラ」と記された部分が表音的記号である、と気が付いただけで
この複雑な文字の解読にストレートにつながる、などとはとても考えられない。
表音的文字もあれば、文字の組み合わせで(必ずしも表音的でなく)一つの意味をあらわす、漢字のようなものもあり、
語のカテゴリーを概念的に表わすだけの(音を示さない)記号もある。
それらの一つ一つを確定し、またコプト語等の知識によって、推定音を再構築していく、という
気も遠くなるような作業を経て、初めて解読が成るのである。
言語学者の業績の大部分、その血の滲むような地道な部分も、
他の学問の同様な基礎部分と同様、世人の目には決して入って来ないものであろう。
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テーマ : 言語学・言語論
ジャンル : 学問・文化・芸術

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プロフィール

井上孝夫

Author:井上孝夫
多言語の学習・研究、多言語読書を長年続けています。著書に新潮新書『世界中の言語を楽しく学ぶ』『その日本語、ヨロシイですか?』あり。マンガ・イラストの別ブログ「スケッチ貯金箱」もやっています。

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