ダンテ「神曲」地獄篇を読み終わる。

ダンテ「神曲」の地獄篇原文を読み終わった。
ほとんど注を読んでいたようなものだが、
いちおうその後で原文を読みはしたから、とりあえず読んだことにはなるだろう。
感想。
思ったよりずっと論理的なものだった。
地獄、などというと仏教の地獄図のような、恐怖を煽るものを想像してしまうが、
ダンテのそれは、ずっと論理的で、犯した罪との対応が実にはっきりしている。
希望を抱いてはならない、と入り口に書いてあったわけだから、
永遠の業苦なわけで、恐ろしいはずなのだが、
あまりに整然と分類され、理性的に配置されているので、
我々日本人には、恐怖よりもある種の意志の強さを感じてしまって
やはりヨーロッパ的だな、という感想が先に立つ。
韻律を味わう余裕は、正直無かったが、こんなに長い詩で、韻を合わせるのは
並大抵の労力ではないだろう。音節数も考えなくてはならないし。
そのためには、俗語や古語、ありとあらゆるところから言葉を引っ張り出して来なくてはならなかったはずで、
その膨大な語彙のごった煮(表現は悪いが)状態は
当時の人といえども、それほど分かりやすいものではなかったのではなかろうか。
でもそのカオスを整然と纏め上げたことによって、
イタリア語統一の原動力となったことを思えば、
ダンテの詩人としての膂力は大変なものである。
さて、明日からは「煉獄篇」へ進む。
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テーマ : 洋書多読
ジャンル : 学問・文化・芸術

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プロフィール

井上孝夫

Author:井上孝夫
多言語の学習・研究、多言語読書を長年続けています。著書に新潮新書『世界中の言語を楽しく学ぶ』『その日本語、ヨロシイですか?』あり。マンガ・イラストの別ブログ「スケッチ貯金箱」もやっています。

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