言語との相性

言語との相性、というものがあるのではないか、と最近思う。
もちろん母語であれば、否応無く慣れてしまうし、それで思考し、生活するわけだから、
相性などと言ってはいられない。というより、自然に馴染んでしまう。
しかし学習言語、特に母語とタイプの違う言語の場合、
やはり学習者との相性があるような気がしてならない。
たとえば私の場合、ロマンス諸語とは相性の良さを感じるが、
ドイツ語はなかなか馬が合う感じがしない。
別にこれはドイツ語をけなしているわけでもなんでもない。
ただ、言葉の振舞い方一つ一つが、スッと腑に落ちる感じがするかどうか、という問題だ。
中国語も、漢字で書いてあるから親しみ易いように思うけれど、
その口語の振舞い方は、どうも今ひとつピンと来ないことが多い。
韓国語は、日本語と振る舞いが似ているので、これは感覚が分かる
(これは、母語との近さの問題で、相性とは別だろう。)
トルコ語も膠着語なので親しみ易いが、
同じ膠着語でもモンゴル語は、ちょっととっつきにくい。
こういう相性の感覚というものは、客観的に説明がつくのか、
それとも個人的問題なのか判然としないが、
おなじ日本人でも、ドイツ語や中国語・モンゴル語を専門に選ぶ人がいる以上、
やはり相性というものがあるのではないか、と考えているのである。
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テーマ : 言語学・言語論
ジャンル : 学問・文化・芸術

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No title

言語との相性、ありますね。
私の場合、井上さんとは違って、ロマンス語が苦手です。
唯一やったロマンス語がフランス語で、高校、大学とやって、フランス語圏に住んだこともあるのに、ついに好きになれませんでした。

それに対して、ゲルマン語は印象がよく、ドイツに住む機会ができて40代になって始めたドイツ語は、必要がなくなった今でも離れられなくて勉強しています。もうだいぶ忘れてしまいましたが、オランダ語も好きでした。

ときどき、何か新しい言葉をかじってみようかなと思うのですが、イタリア語やスペイン語はどうもとっつきにくくて。本当は、文化的にもおもしろいことがいろいろあるし、イタリア語はドイツ語より学習しやすいと聞いているのに。

何がポイントになるのかはわかりませんが、意味がわからなくても「聞いていて気持ちがよい」言語はとりあえず相性がいいかもしれません。

我々にとって日本語はあたりまえの言語で、好きも嫌いもありませんが、自分が外国人だったら、日本語が好きだったかもしれないなと思います。音声的にも構成的にも、なかなかすてきな言語かもしれないと。

No title

ドイツ語と良い相性、というのは羨ましいですね。
私も一生懸命やっているんですが。
天は人間を公平に作っているのでしょう。
オランダ語の方が、私にとってはもう少し親しみ易い感じがします。
もっとも、ドイツ語ほど読んだりしていないから、
そう思い込んでいるだけかもしれません。
天から与えられた相性に従うのが賢いのでしょうね。
プロフィール

井上孝夫

Author:井上孝夫
多言語の学習・研究、多言語読書を長年続けています。著書に新潮新書『世界中の言語を楽しく学ぶ』『その日本語、ヨロシイですか?』あり。マンガ・イラストの別ブログ「スケッチ貯金箱」もやっています。

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