企業の愚策

さる企業が、昇進の条件に「2ヶ国語の習得」を義務付けたそうだ。
世界に展開するために必要だから、だそうだ。
おそらくトップの人たちは、複数の外国語など話せまい。
外国語で充分にコミュニケーションをとるために、
どれだけの努力をしなければならないか、を全く理解していない人間の発想である。
はっきり言って「昇進」程度の動機付けで克服できるほど
外国語は甘くない。
ましてや商売にかかわる交渉などでは、プロの通訳に頼むのが当然であろう。
ニュアンスや用語・表現の一つの誤解が命取りになりかねないからである。
現地社員とコミュニケーションを取るため、というのもあるだろうが、
これだって、なまなかなことではない。
本当に習得させたいなら、相応の時間と金を当該社員に与えなくてはならない。
その覚悟があるのだろうか。
文化を理解するためにロングレンジな展望の下、楽しみつつ学ぶのと、
利害得失にからむビジネスで用いるために学ぶのとでは、全く別である。峻別しなくてはならない。
どちらが上だ下だ、という問題ではないのである。
現地に1年間ぐらい留学させ、厳しいプログラムで学ばせ、
なおかつ生活も現地語で行う、くらいしなくてはならないだろう。(逃げ出す社員もいるだろう。)
社内で英会話教室をやってます、というレベルの発想では、
いずれ失敗するのは目に見えていると思う。
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テーマ : 語学の勉強
ジャンル : 学問・文化・芸術

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プロフィール

井上孝夫

Author:井上孝夫
多言語の学習・研究、多言語読書を長年続けています。著書に新潮新書『世界中の言語を楽しく学ぶ』『その日本語、ヨロシイですか?』あり。マンガ・イラストの別ブログ「スケッチ貯金箱」もやっています。

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