片やデンマークでは

ワールドカップで日本がデンマークに3-0で勝ち、8強へ進出して、国内は大騒ぎである。
こんな時は、敗者となったデンマーク国民の失望にも思いを致すべきだ、と私などは思う。
そこで、インターネットでデンマークの新聞を見てみた。
「Berlingske tidende」という新聞のホームページには、こんな見出しが。
“Danmark faldt uden ære”(デンマーク、名誉なき敗退。)
そして見出しには、
“To japanske dødbolde dræbte Danmark, der fik en sørgelig afsked ved VM.”
(日本の二つの死のボール、デンマークの息の根を止める。デンマークはW杯にて悲しき退去。)
とあった。(VMというのは手元の辞書には出ていないが、文脈からW杯のことだと思われる。)
失望と無念の滲む表現ながら、いきり立ったところは感じられない。なにか成熟した感じを受けた。
もっとも、全国民がこういうスタンスかどうかは分らない。応援していた者同士が殴りあったというニュースも伝わっているが、まあそういう血の気の多い人はどの国にでもいるだろう。しかし、他の新聞などでも今回の試合へのコメントらしきものが出ているが(私のデンマーク語の力では、そう一気には読めないが)、全体には抑え目のトーンが感じられる。国民性なのだろうか。民度の問題ですかね。
一方、同じく予選リーグ敗退のイタリアの新聞の中には、
“Bidoni del mondo”(世界のクズ)
“Italia che vergogna! Fuori e ultima nel girone”
(イタリア恥さらし! 予選グループ最下位で敗退)
“Disastro Italia, Lippi:«E’ colpa mia.»”(イタリア大失敗、 リッピ「僕のせいだ。」)
などという、まあラテン系気質丸出しというか、まさにイタリア的というか、刺激的な見出しが見られる。しかし、明日になったら忘れているでしょう。彼らは。人生はサッカーだけではありませんから。
こんな風に、関連各国の空気を読むのも、多言語読書の楽しみの一つではあります。
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No title

日本のデンマーク大使館でも、負けがほぼ決まったらデンマーク人が日本を応援してくれたという話が報道されていましたが、なかなか理性的な国民のようですね。

VMという言葉、ドイツ語のヴェルトマイスターシャフトに似ているなあと思いつつネットで調べたところ「Verdensmesterskab」ですって。これは、世界選手権という意味でしょうか?ゲルマン語はどこか似ているけれど、やっぱり違いますね。

ありがとうございます。

貴重な情報、ありがとうございます。
versen(=world)
s(='s)
mesterskab(=mastership)
ということで、やはりそういう意味でしょうね。
同じ話題で世界が盛り上がっている時が
多言語学習者にとっては、面白い時です。
さて、いずれ日本を破った国は、
どんなことを言うんでしょうか。

No title

先のコメントでスペリングのミスがありましたので、訂正。
versenではなくて、verdenですよね。
語学のブログですので、一応直しておきます。
プロフィール

井上孝夫

Author:井上孝夫
多言語の学習・研究、多言語読書を長年続けています。著書に新潮新書『世界中の言語を楽しく学ぶ』『その日本語、ヨロシイですか?』あり。マンガ・イラストの別ブログ「スケッチ貯金箱」もやっています。

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