辞書は見かけによらぬもの

ウズベク語の会話本の調べを始めた。
ところが最初からつまづく。辞書を2冊持っていた。
『Uzbek-English Dictionary』(Natalie Waterson, Oxford University Press)と、
『ウズベク語辞典』(小松格、泰流社)の2冊である。
一見して、前者が良い、と思った。
解説が豊富、例文も多い。語彙数は微妙だが、初歩的な調べである。
そんなに特殊語彙は分らずとも良い。
それを使って調べ始めて気付いた。
実に調べにくい。基本的な派生語が出ていない。
動詞は本当の語根のみが記されている。
それに巻末の接辞一覧を付ければ、意味は了解できるはず、という作りである。
しかし、「知る(tani-)」が出ていて、派生語の「知り合う(tanish-)」に当たる語が出ていない。
(tani-+-sh-〔「互いに~する」の意味〕で、「知り合う」となる。)
「お知り合いになれてうれしい」=「どうぞよろしく」という基本フレーズを
調べていて、いきなり困惑した。
トルコ語を知っているから分ったものの、これが近縁言語を知らなかったら、
もっと戸惑ったろう。
作り方が悪いわけではない。基本語彙+後接辞で組み立てていくのが膠着語だから、
確かに理論的である。
しかし、だ。
どこまでが常用される派生語で、どこからが論理的に組み立てるものなのか、
そこらへんの感覚が全く欠如している。
屈折語である英語話者(であろう)の筆者にとっての近道が、
ウズベク語と同じ膠着語の日本語話者である自分にとっての近道とは別のものである、ということが
よく分った。
よって、これからは上記の後者、日本人の手による辞書をメインに使おうと思う。
辞書は見かけによらない。
辞書を処分・整理する時は、そのあたりをよく考えないと、
あとで後悔する羽目になる。
定年のときの大整理が大変だ。
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井上孝夫

Author:井上孝夫
多言語の学習・研究、多言語読書を長年続けています。著書に新潮新書『世界中の言語を楽しく学ぶ』『その日本語、ヨロシイですか?』あり。マンガ・イラストの別ブログ「スケッチ貯金箱」もやっています。

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