音声学について

多言語学習において、音声学は必須である。
言語の音声というものが、いかなるものなのか、
どのように人は音を発し、区別するのか。
異なる言語において、その発音はいかに異なるか、
その区別の基準が、いかに食い違ってくるのか。
これらのことを理解しないと、全体像がいつまでも見えない。
ところが、この「一般音声学」を教えてもらう機会は、あまり無い。
「英語音声学」とか「日本語音声学」とか、
個別言語の発音の特徴を教えてくれる所はあるけれど、
そもそも英語や日本語の発音やその区別の仕方が、
言語一般の中でどのような特徴を示すのか、どのように特殊であるのか、
それを認識するには、もっと広いパースペクティヴを持つ音声学を
身に付けねばならない。
言語学の学生にならなければ、いや、たとえ言語学の門を叩いても、
きちんとそこを指導してくれる先生や体制が無ければ、
なかなか身に付くものではない。
本で勉強するには、『改訂 音声学入門』(小泉保、大学書林)という入門書があるが、
以前これにはカセットテープ(!)がついていた。今はどうなっているのか知らない。
『国際音声記号ガイドブック―国際音声学会案内』(大修館書店)という本も出ているそうだ(未見)。
なお国際音声字母については、国際音声学会のHP
http://www.langsci.ucl.ac.uk/ipa/index.html
から、その音声記号表を手に入れることができる。
音声学の本は、それを読んで覚えてから言語学習をする、というものではなく、
座右に置いて、分らない音声について、そのポジションを確かめる、という使い方が
よいのではないか、と思う(もちろん、一回は通読して欲しい)。
なお言語学上の「音声」と「音韻」の違いも非常に重要なので、
これは言語学関係の事典等で概念を確認するとよいと思う。
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テーマ : 言語学・言語論
ジャンル : 学問・文化・芸術

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プロフィール

井上孝夫

Author:井上孝夫
多言語の学習・研究、多言語読書を長年続けています。著書に新潮新書『世界中の言語を楽しく学ぶ』『その日本語、ヨロシイですか?』あり。マンガ・イラストの別ブログ「スケッチ貯金箱」もやっています。

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