セルビア語・クロアチア語

『ニューエクスプレス セルビア語・クロアチア語』(白水社)
という本を寄贈していただいた。
大学の先輩の執筆になる本。
2つの言語を教える本か、というとそうではなくて、
これはユーゴスラヴィア時代には
「セルボ・クロアチア語(srpskohrvatski)」と呼ばれていた言語である。
スラブ語派(ロシア語の仲間)のバルカン半島方言、とも言うべきもので、
セルビア語もクロアチア語も東京弁と大阪弁ほども離れてはいない。
従って、ユーゴ解体後は「セルビア・クロアチア語」という
微妙な名称に変わった。
しかしその後、セルビアもクロアチアも別個の国となり、
それぞれの国語として、「セルビア語」「クロアチア語」と
まるっきり別の言葉のようになったのである。
もともとセルビア語はキリル文字を使い、
クロアチア語はローマ字を使っていた。
ユーゴ時代はローマ字に統一されていたが、
現在、セルビアでは両様あるようである。
ややこしいのは、ボスニアとかモンテネグロとか、
近隣の新興独立国もその国語をそれぞれ「ボスニア語」「モンテネグロ語」などと
称しているらしいことである。
実質的に一つの言語が、政治的成り行きで4つの名を持つ、という事態。
言語名というものが、いかに政治的なものかの証左である。
セルビアやクロアチアは、サッカーで国際大会などにも出るので、
通訳不足が話題になることもある。
一つ勉強すれば、両方の通訳をすることも不可能ではない
(もっとも、語彙の違いがあるので楽ではないだろうが)。
誰かトライする人はいませんか?
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テーマ : 言語学・言語論
ジャンル : 学問・文化・芸術

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プロフィール

井上孝夫

Author:井上孝夫
多言語の学習・研究、多言語読書を長年続けています。著書に新潮新書『世界中の言語を楽しく学ぶ』『その日本語、ヨロシイですか?』あり。マンガ・イラストの別ブログ「スケッチ貯金箱」もやっています。

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