手強いフィンランド語

 仕事でフィンランド語が必要になり、格闘中。
 『フィンランド語トレーニングブック』(白水社)を読んでいる(練習問題等やりつつ)途中だったので、大変良い勉強にはなるのだが、フィンランド語は一筋縄では行かない言語なので、苦労している。
 どこが一筋縄で行かないかというと、とにかく語形変化において語幹の部分が多様に変化するのである。サンスクリットやヴェーダ語のような階梯という音声現象があり、ある音または音の組み合わせが、別の音(又は音の組み合わせ)へと、比較的規則性のある交替を行う。しをかしそれだけでは済まない不規則性で(と言うか、ゆるい規則性を以てと言うか)語幹が変わることも多く、結局は「習うより慣れよ」という話になってしまい、辞書を自在に引くまではかなり努力が必要という厄介な言語である。同族のエストニア語も似ている。サンスクリットの連声(サンディー)のように複雑だがかなり高い規則性のある変化なら、変化の一覧表を作ってしまえばかなり楽になるのだが、フィンランド語はその手もなかなか有効とは行かないのである。フィン・ウゴル語派などと一括りにされることもあるハンガリー語の方がよほど扱いやすい(簡単だ、という意味ではないですよ)。
 しかしフィンランド語もその一つなのだが、ボキャブラリーが英語などと共通する部分の割合が少ない(外来語は別)言語は、やはり難しく感じる。言語は結局、最後には語彙の問題が多くを占める。
 そういうわけで、文字と発音は別としてフィンランド語は難物である。その難物と格闘している経験も貴重だ。文法ノートも、こういうものと格闘すれば新しいアイディアも得られ、成長するというわけである。いい仕事をさせてもらっている、と思う。
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プロフィール

井上孝夫

Author:井上孝夫
多言語の学習・研究、多言語読書を長年続けています。著書に新潮新書『世界中の言語を楽しく学ぶ』『その日本語、ヨロシイですか?』あり。マンガ・イラストの別ブログ「スケッチ貯金箱」もやっています。

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