馬鹿ですね。

 ペンゴ語の文法をまとめ終わった。あとは読本部分が残っているが、後の楽しみに取って置こう。おそらくこの言語も、以前述べた絶滅言語ダルマチア語と同様、一冊の文法研究書の全てを読みきったらもう後は存在しないと同然の言語である。1971年の時点で1200人余の話者しかいなかったのだから、30年以上経った現在では3桁ぐらいの話者数だろうか。まさか絶滅しているとは思いたくないが、危機的少数言語であることは間違いないだろう。文法書の佇まいに惚れ込んで学習したのであるが、ドラヴィダ系の言語としては4大言語(タミル語、マラヤーラム語、カンナダ語、テルグ語)の次に学んだ5番目の言語ということになる。そう書いて、今もうすぐ終えようとしているマラヤーラム語文法書(最初に勉強した本がやや古めかしかったので、文法のブラッシュアップのために追加学習)と同時期に、二つドラヴィダ語族の言語をやっていたことに気付いた。そんなことも無意識になっている。
 さてその後には「後期アヴェスター語」をやる。『後期アヴェスタ語文法』(野田恵剛著・大学教育出版)を手に入れたので。アヴェスター語とは、インド・イラン語派の古い言語で、ゾロアスター教の聖典『アヴェスター』が書かれている言語である。実はこれにも新旧2つあり、古い方は「ガーサー・アヴェスター語」といい、これは以前英語で書かれた文法書を簡単に浚った。今度は新しい方の「新体アヴェスター語」=「後期アヴェスター語」である。これも深く追究しようとしてではなく、一応押さえておきたいというのと、ほぼ文法活用表ばかりの簡潔な本の佇まいに惹かれたからである。古代語の場合、テキストを読みこむためには実際の例文は表示してもらわなければ困るが、文法的な要点を押さえたい、という時にはこういう本もよい。ともかくやってみよう。
 電車で昔やったリンガフォンのアイスランド語を再度聴くことにした。最近出た『まずはこれだけ アイスランド語』を聴いた直後に古い録音を聴くと、いかにこの教材に馴染んでいるかが分かる。ちょっと古めかしいのかもしれないが、これは本当にいい教材だったなあ。もう私にとっては昔よく聞いた音楽みたいなものだ。それでもまだ覚えきっていないところがあるので、落穂拾いをするつもりで聴いている。本当に何のためにやっているのだろう。
馬鹿ですね、傍から見たら、きっと。
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井上孝夫

Author:井上孝夫
多言語の学習・研究、多言語読書を長年続けています。著書に新潮新書『世界中の言語を楽しく学ぶ』『その日本語、ヨロシイですか?』あり。マンガ・イラストの別ブログ「スケッチ貯金箱」もやっています。

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