『神曲』つづき

『神曲』は第15歌まで来た。
地獄篇は34歌あるから、
やっと半分弱である。
延々と地獄の描写が続く。
詩として音を楽しむ余裕は無いから、
いきおい解説を読むことが主体であり、
それを読んで初めて原文が納得できる、といった具合である。
きっと何回か繰り返さなければ
詩として味わうことは不可能なのだろう。
700年の時間は、言語の違いも合わさって、
このテキストを容易に近づき難いものにしているのだろう。
しかし、物理的な距離、というものを克服してしまい、
異国というものを感じにくくなっている我々には、
むしろ時間と言語とが、残された異郷への門なのかもしれないと思う。
ダンテにとっては、フランドル地方あたりが西の果てであったらしい。
第15歌の冒頭にそのような解説があった。
だが、フランドルはダンテにとって、
今の我々にとっての太陽系の端ぐらいの感じなのかもしれない。
私も外国の古典作品という、認識の太陽系の端を
のろのろとした歩みで探っていこうと思う。
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テーマ : イタリア語
ジャンル : 学問・文化・芸術

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井上孝夫

Author:井上孝夫
多言語の学習・研究、多言語読書を長年続けています。著書に新潮新書『世界中の言語を楽しく学ぶ』『その日本語、ヨロシイですか?』あり。マンガ・イラストの別ブログ「スケッチ貯金箱」もやっています。

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