集中学習期

 相も変わらずハンガリー語とチェコ語とドイツ語に追いまくられている。
 一つの単語を覚えるにも、その同義語、反対語、それに対応する他の言語の語彙、覚えにくい語の適当な例文のピックアップ等々、きりが無い。会話文の聴き込みも、忘れてはまた繰り返し、さらに忘れては再度聴き、何と物覚えの悪くなったことかと嘆いてはまた同じことを繰り返す、というエンドレスにも思える状況である。脳内のニューロンも繋げきれない気がする。
 そこまでやる必要なんかないだろう、という悪魔の囁きが聞こえるが、こういう苦しい作業を経なければ言語への距離を思い切り縮めることが出来ないのは長年の経験で承知しているので、とにかくやれるだけのことはやっているのである。
実は旅行でどのくらい役に立つか、ということは最重要事項ではないのだ。旅行で使いたい、というのは学習にとって最大のモチベーションになるから、それを利用して、この3言語への感覚的距離を縮め、後でこれらの国の文化のいくばくかを、本当に「味わえる」ようになりたいのである。カレル・チャペックの作品も持っているのでそれを「鑑賞」できる読解力も身に付けたいし、ドイツの作家の作品にももっと親しめたらとも思う。ハンガリーに至っては、作家や作品の名前もろくに知らないのであるから、これをきっかけにして多少は触れられる作品も出てくるのではないかと期待しているのである。
 それらを行うには、まずは日常言語が基本である。これの学習を怠るのは結局遠回りになる。ごまかさずにやらなくてはならない。
 先日、以前聴いた白水社の『ニューエクスプレス・チェコ語』の録音を聴いてみたら、簡単な会話ではあるが、外国語ではなくただの言葉として耳に入ってくる感じがした。ちょっと嬉しかった。日頃から、役に立つかどうかも分からず、とりあえず言語音を耳に入れておく習慣が役に立ってくれているのかもしれない。
 多言語学習、といっても、局面によってはこのような集中的学習の時期も必要なのだろう。現在手を付けられない他の言語の聴き込みなどは、旅行が終わってからのんびりと楽しもうと思う。その時はまた言語の放浪者に戻ればいいのである。
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プロフィール

井上孝夫

Author:井上孝夫
多言語の学習・研究、多言語読書を長年続けています。著書に新潮新書『世界中の言語を楽しく学ぶ』『その日本語、ヨロシイですか?』あり。マンガ・イラストの別ブログ「スケッチ貯金箱」もやっています。

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