知らなかったこと(自戒を込めて)

最近、中国語の初歩的(?)な知識で気が付いたことがある。
日本語の「足」「脚」を中国語ではどう言うか。
腰の下から爪先までの全体を「腿」(tuĭ)と言う。
「脚」(jiăo)というのは、踝から爪先までを指す。
「足」(zú)というのは人や動物の「あし」を漠然と指し、文語的であるらしい。
これは日本語の感覚と少し違う。
日本語では「脚」はむしろ中国語の「腿」に相当する全体を指すように思う。
「X脚」とか「O脚」という時には、そうでないと意味が通じない。
「足」は漠然とした概念のようである。全体を指すとも、踝から先を指すとも考えられる。「足が大きい」と言う時は後者だろうし、「足長おじさん」と言う時は前者だろう。
以前単行本を出した時、「短足」という言葉は「短脚」のほうが良いのではないかという私見を述べたことがあるが、中国語から言えばむしろそれは誤りだ、ということになる。しかし日本語の感覚から言うとやはり少し違和感を感じる(少なくとも私は)。
中国語でも椅子の脚などは「腿」だが、背の高いワイングラスの場合は「脚」と呼ぶようである。こうなると境界はけっこう曖昧な気もする。
簡単なことでも調べてみると事情は複雑だったりするから、簡単に結論は出せるものではない。言葉を「正しい」「間違い」と簡単に決めつけることは出来ないという気がする。
肝に銘じなくてはならないことであろう。
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井上孝夫

Author:井上孝夫
多言語の学習・研究、多言語読書を長年続けています。著書に新潮新書『世界中の言語を楽しく学ぶ』『その日本語、ヨロシイですか?』あり。マンガ・イラストの別ブログ「スケッチ貯金箱」もやっています。

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