ドイツ語はちょっと苦手

 アラビア語の単語・例文を集めた『これなら覚えられる! アラビア語単語帳』(師岡カリーマ・エルサムニー、NHK出版)を一通り聴き終える。アラビア語は聴いていればそのうち覚えられる、というような言語ではないから、文法はきちんと別にやらなくてはならないが、一通り文法を了解した人にとっては、この本は良い教材である。このレベルの、中級に向けての基礎固めとなる教材というのがあまりない。とても大事な段階用のものなので、ありがたい教材である。何度も聴き返すようにしたい。
 当面それに替えて、『今すぐ話せる ドイツ語単語集』(東進ブックス、発行所はナガセ)を聴くことにする。このシリーズは基礎教材として何度も聴くようにしているシリーズである。耳タコになるべく、何度も聴くつもりである。
 そもそも私はドイツ語がなぜか苦手で、その理由を考えているのだが、どうやら、ドイツ語が分離動詞に代表されるように、文の途中で意味が決定されずに宙ぶらりんになる、「保留の多い」言語であることが理由の一つであるような気がする。
 分離動詞というのは、前置詞あるいは副詞的な前綴りと動詞が合体してあらたな意味を発生させている動詞なのだが、
ausgehen(出かける)←aus(〜から)+gehen(行く)
 のように、意味的に納得できるものもあるが、
aufhören(終わる、やめる)←auf(〜の上に)+hören(聞こえる、聴く)
 のように、意味が全く変わってしまうものも多い。
 従って、Er hört am nächsten Ersten auf.(彼は来月1日に退職する。)のような文章の場合、最初の2語だけなら、「彼は聴く(彼には聞こえる)」としか解釈できないのだが、さらに「来月1日に」と続いて、最後にaufが現れて突如「退職する」という意味が現れて来る。このあたりの感覚は、英語のような、重要情報はなるべく早く言いきってしまうタイプの言語から見ると随分違う。やはり或る程度言い回しやフレーズ的なものに習熟することが要求されるのであろう。これは中国語のような「孤立語」タイプの言語に似ているかもしれない。文脈とそれに対応する言い回しがある程度決まっている、それに習熟しなければならない言語である。
 理屈はともかく、この教材をまたしつこく聴くことにする。「不得意」ならばなおさら、基礎をしっかりする必要があるからである。ドイツ語は、文化的にも大言語であるので、この過程はなおざりにはできないのである。
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プロフィール

井上孝夫

Author:井上孝夫
多言語の学習・研究、多言語読書を長年続けています。著書に新潮新書『世界中の言語を楽しく学ぶ』『その日本語、ヨロシイですか?』あり。マンガ・イラストの別ブログ「スケッチ貯金箱」もやっています。

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