イタリア語への翻訳

実は3年前くらいから会話学校へ通っています。
もちろん会話を習うためです。
「多言語を勉強しているんなら、
そんなのとっくに出来るんじゃないの?」
と思う人もいるかと思いますが、
話すのはまた別です。
別、といっても今までの勉強が無駄になるわけではなく、
慣れてくると、読んでいた分は必ずプラスになるのを実感しています。
今までに、イタリア語、英語、フランス語、スペイン語、韓国語を
習いました。
いままでも会話のテープなどは聴いていたので
戸惑うことはありません。
しかし、ありきたりの初級会話はともかく
少し内容のある会話をしようとすると、
そもそも自分の興味の対象範囲の広さや、
それに対する自分のスタンス、
自分で考えたそれに対する意見などを
しっかり持っていなくてはなりません。
そしてそれらを瞬時に外国語に転換する
言語テクニックが必要になります。
それにはその言語での作文、というものが
きちんとできなくてはならない、ということを
痛感しています。
いちばん力を入れているのはイタリア語ですが、
普通の身辺日記では題材も限られるので
最近は短編小説の翻訳や、
日本の歌の翻訳などをしています。
今回やったのは演歌の翻訳。
森進一の「港町ブルース」をイタリア語訳にしました。
作曲・猪俣公章。作詞は深津武志、補作詞がなかにし礼の傑作。
演歌の歌詞、というと「下らねえ」などと言う人がいるでしょうが、
とんでもない。
優れた演歌の歌詞ほど、日本語として凝縮されたものは滅多にありません。
日本の大衆文化というものは、日本人が思っているより
はるかに国境を越えて訴えるものがあるようです。
YouTubeでも歌謡曲や子供番組の主題歌などに
多くの外国人が感激のコメントを寄せています。
(これを読むのも多言語読書です。)
さて、「港町ブルース」の訳を一部示しましょう。
著作権があるので、引用ということで1番と2番だけ。


1 背のびして見る 海峡を Per lo stretto che guardo stando sulla punta dei piedi
今日も汽笛が 遠ざかる s’allontana, anche oggi, la sirena a vapore.
あなたにあげた 夜をかえして Restituiscimi la notte che t’ho data,
港 港 函館 通り雨 O il porto, il porto di Hakodate
                               sotto la pioggia passeggera.

2 流す涙で 割る酒は Con il sake che allungo con le mie lacrime versate
だました男の 味がする assaggio il gusto degli uomini che ho ingannati.
あなたの影を ひきずりながら Rimpiangendo ancora la tua figura
港 宮古 釜石 気仙沼 sto nei porti di Miyako, Kamaishi, Kesennuma.

全部で6番まであり、それを先生に提出。
先生はYouTubeで聴いて気に入ってくれました。
私自身、カンツォーネでイタリア語入門をしたので、
これはイタリアに対する「ミニ恩返し」のつもりです。
毎週(今はイタリア語だけ)おしゃべりに通うのが
今の楽しみです。
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テーマ : 語学の勉強
ジャンル : 学問・文化・芸術

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プロフィール

井上孝夫

Author:井上孝夫
多言語の学習・研究、多言語読書を長年続けています。著書に新潮新書『世界中の言語を楽しく学ぶ』『その日本語、ヨロシイですか?』あり。マンガ・イラストの別ブログ「スケッチ貯金箱」もやっています。

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