楽しく聴く

 ここのところ聴いている言語は、もしかすると実現するかもしれない旅行のための下準備ということで、中欧・東欧の言語を聴いているのだけれども、こういう「実用のための勉強」もそればかりやっていると神経疲れしてしまう。
 昔みたいに、「へえ、こういう感じの言語なんだ」と、歌でも聴いている感じの聴き方が懐かしい。「話せなくては」という義務感が入ると、今一つ重くなってしまう。
 ということで、スロヴェニア語を聴いていたのを、ヨルバ語に替えることにした。ナイジェリアのあたりで話されているこの言語を実際に使うことはまずないだろう。だからこそ純粋に言語の響きを味わわせてもらえるのではないか、という期待が少しあるのだ。
 学生のころいろいろな言語にチャレンジしたが、その際は各言語の響きというか「歌」というようなものを感じ取りながら勉強した楽しい思い出がある。今再びそれを味わうのは難しくなっているのだが、是非とも忘れたくないものである。
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テーマ : 語学の勉強
ジャンル : 学問・文化・芸術

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No title

世間では話すことを目的に外国語を勉強する人が大半だと思うので、これは正反対の非常に新鮮な感覚ですね。実際、外国語そのものが好きで多言語学習をしている人には、その国に行く予定もなく、話す機会もないという人が多いようで、そうであってこそ純粋にその言語の良さを楽しめるとも言えるのでしょう。それが言語の「響き」であったり、「文字の美しさ」であったり、「文法構造の奇天烈さ」であったり、そのへんはいろいろなんですが。

友人の一人は西夏文字を習いに行き、自分の名前を西夏文字で綴れたと狂喜していました。話す相手が絶対いない言葉ゆえに、かえって惹かれるのだそうです。音声的に楽しめないのが難点ですが。

学習した言語が何かの機会に実用になった(その国に行くことになった、その国の人に偶然会ったなど)というのもすごく楽しいのですが、実はその言語に対する純粋なワクワク感が一番大事ではないかと思います。

No title

語学をやっていて一番嫌なのは、何かの加減で閉塞感を覚えてしまった時です。
そういう時はたいてい、ディープな学習(実際に使うための訓練や、長い作品を読み続けているなど)ばかりやっている場合が多いようです。
語学でもやはり風通しは必要で、旅行に譬えるならば、その国に住んでいるかのような密着した学習と、旅人のようにその国をサラリと眺める旅、の2種類を混ぜて初めてバランスが保たれて、学習全体のバランスが取れるような気がします。
プロフィール

井上孝夫

Author:井上孝夫
多言語の学習・研究、多言語読書を長年続けています。著書に新潮新書『世界中の言語を楽しく学ぶ』『その日本語、ヨロシイですか?』あり。マンガ・イラストの別ブログ「スケッチ貯金箱」もやっています。

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