ドン・キホーテその後

 多言語読書の一環、セルバンテス『ドン・キホーテ』は現在第18章である。
以前第28章の途中まで読んで中断していたものを、また最初から読み直している。ただし前回は電車の中で無理して読んでいたので、理解が及ばないこともあったが、今回は机上で行なっているので、分かりやすく楽しい。
 岩波文庫の牛島信明訳を参照しつつ読んでいるが、この訳は原文と対照するとたいへん正確で良心的な訳である。訳者の苦労も偲ばれて、岩波文庫に入る資格の充分ある訳業だと敬意を表したい出来である。
 とはいうものの、これは翻訳の宿命だが、原文に滲んでくるドン・キホーテと従者サンチョ・パンサの大真面目な会話に漂うどことなく突き放して描かれた滑稽味というのは、やはり原文に当たったほうがより強く生彩に富んで感じられる、と言わざるをえない。多言語読書で原語に当る醍醐味である。
 さてまだ先は長い。しかしこれだけ楽しく読めるのだから、おそらく最後まで行けるだろう。一つぐらいそういう作品もなくては、頑張っている甲斐がないのである。
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テーマ : 語学の勉強
ジャンル : 学問・文化・芸術

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井上孝夫

Author:井上孝夫
多言語の学習・研究、多言語読書を長年続けています。著書に新潮新書『世界中の言語を楽しく学ぶ』『その日本語、ヨロシイですか?』あり。マンガ・イラストの別ブログ「スケッチ貯金箱」もやっています。

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