アヴェスター語

古ノルド語のテキストを読むのを中断して、ガーサー・アヴェスター語(Gatha Avestan)の読本に乗り換えた。
ガーサー・アヴェスター語というのは、古代イランの宗教聖典「アヴェスター」のうち最古の部分である「ガーサー」に用いられている言語である。言語学的にはインド・イラン語派に属する。古代ペルシア語、インドのヴェーダ語、サンスクリットなどに近いと言われる。
 なぜか以前この言語の文法書と読本(共に英文)を発見して買い込み、文法の要点だけメモをしてそのままになっていた。文法書はもう手元にないが、読本は立派なものなので棄てるのも勿体なく、今日まで取ってあったのである。
 古代言語は、テキストが限られる場合が多く、しかも神話や軍記や行政文書(これはむしろテキスト化されることは少ない)など、現代人がそうは興味を持たない物が多い。私も凡庸な現代人の一人なので、そういうものを通して読むだけの根気は無い。しかし有名な歴史的文書が、どんな感じの言語で記されているのかを感じ取りたいだけである。きわめてミーハー的興味と言っていい。
 テキストの1行目にいきなりZaraӨštra(ザラスシュトラ)という名が出て来る。ゾロアスター教の開祖である。しかし読解は、当然の如く非常に難しい。亀のような歩みはおろか、ナメクジが這うに等しい。少しは言語としての感触が得られるまで、どれくらいかかるのだろう。アヴェスター文字で記されている部分もあるが、遥かな道のりだろう。
 完璧を期していては入り込めない世界。垣間見るだけでもよしとするしかないだろう。
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テーマ : 言語学・言語論
ジャンル : 学問・文化・芸術

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井上孝夫

Author:井上孝夫
多言語の学習・研究、多言語読書を長年続けています。著書に新潮新書『世界中の言語を楽しく学ぶ』『その日本語、ヨロシイですか?』あり。マンガ・イラストの別ブログ「スケッチ貯金箱」もやっています。

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