『日本語の隣人たちⅡ』を聴いていて

『日本語の隣人たちⅡ』の録音を聴いていて、シベリアのサハ語(ヤクート語)の「こんにちは」が、
Дорообо!(ドローボ)
という表現で、響きが日本語の「泥棒」に似ているな、などという下らないことを考えていたが、その次に出てきたユカギール語でも、
Doroobot'e!(ドローボシェ)
というのを知って、随分似ていることに気付いた。
ユカギール語は、サハ語地域の東方で話されているが、同じくシベリア東部であり、近いといえば近い。
同じロシア国内でもカムチャッカ半島のイテリメン語では、
Last zunsc?(ラスト ズンスチ)(「あなたはどのように暮らしているか?」=「元気ですか?」。「こんにちは」「こんばんは」など、いつでも使える。)
だそうで、これは全然形が違う。
もしかしたら上の2つの形は、ロシア語の
Добрый день!(ドブルイ・ジェニ)
が移植されたものかもしれない。
それにしても、bとrが転倒するなどの現象が共通しているのはどういうことだろう。
外来語の受け入れ方にも、広い地域の別言語間に共通性が出るのだろうか。
ちょっと興味を引かれる現象である。
こんなことも、この一見「ごった煮」のような言語録音集のお蔭で気付いたことである。
言語へのアプローチを変えれば、また違う視点が見えるものだ、と思う。
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テーマ : 言語学・言語論
ジャンル : 学問・文化・芸術

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プロフィール

井上孝夫

Author:井上孝夫
多言語の学習・研究、多言語読書を長年続けています。著書に新潮新書『世界中の言語を楽しく学ぶ』『その日本語、ヨロシイですか?』あり。マンガ・イラストの別ブログ「スケッチ貯金箱」もやっています。

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