イタリア語読書

今イタリア語の原書を二つ同時に購読中。
一つは延々読んでいるダンテ『神曲』。
現在「天国篇」の三分の一ほどまで来た。
天国篇は、もはや登場人物の姿がまばゆい光に包まれて見えない、という状況で、
そこに神学や天文や歴史の議論、などが繰り広げられて、
もはや抽象画のような趣である。
ときおり表われるイメージが新鮮(金星や水星の近くを光に包まれながら飛び交う魂など)であるが、具象的なイメージが少なく、我々が天国に抱くイメージはむしろ、煉獄の出口にあったエデンの園のような森に近いものだと知る。
その点では面白いが、地獄篇のように圧倒的なハイパーリアリズム的具体描写、煉獄篇の我々に親しいリアリズム描写に比べると、やはり抽象画の世界だ、という印象である。
最後まで行かなければ結論はでないけれど。

さてもう一つがルイジ・ピランデッロの『故マッティア・パスカル』である。
20世紀文学だから一気に読めるかと思いきや、ピランデッロは変わったシチュエーションを設定することが多く、出だしはその設定を納得しつつ読まなければならないので、まだ思ったように進まない。
多言語読書では、あっちもこっちもなかなか進展しない、という状況がままある。
こういう時は観念して、ゆっくりゆっくり付き合うしかない。
「多言語読書」などという颯爽とした表現とはうらはらの、格好悪くももどかしい実態である。
しかしこれ以外に道はないのだ。腹を据えて、そろそろと進むしかないだろう。
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テーマ : イタリア語
ジャンル : 学問・文化・芸術

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プロフィール

井上孝夫

Author:井上孝夫
多言語の学習・研究、多言語読書を長年続けています。著書に新潮新書『世界中の言語を楽しく学ぶ』『その日本語、ヨロシイですか?』あり。マンガ・イラストの別ブログ「スケッチ貯金箱」もやっています。

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