高さアクセントと強さアクセント

今聞いているハンガリー語の録音で、
やはり自分の弱点だと思ったのが、
「強さ(強勢・ストレス)アクセント」と「高さ(高低)アクセント」の聞き分けである。
日本語は音の高さ低さでアクセントを区別しているが、
多くの言語では強さで区別している。
英語もそうだし、印欧語はほとんどそうだろう(ハンガリー語は印欧語族ではないが同様)。
スウェーデン語には高さアクセントによる意味の区別がある。
セルボ・クロアチア語にもあるらしい。
この点は、入門書でもあまり精細に扱っていなかった気がする。
それはともかく、私も日本人ゆえ、高さアクセントが身についてしまって、
どうしても強さアクセントより優先して聞き取ってしまう。
英語のReally?という文は、頭に強さアクセント、尻尾に高さアクセントが来る。
でも自分の耳にはどうしても後ろにアクセントがあるように感じてしまう。
今聞いているハンガリー語の録音でも、
Van repülőjárat Londonba?(ロンドンへの航空路線はありますか?)という文で、
真ん中のrepülőjáratは平板に、最後のLondonbaではdonのところにアクセントがあるように聴いてしまった。
ハンガリー語は、すべて第1音節にアクセントを持つ、と知っていてもそう聴いてしまうのだから、
母語のアクセントというものは、強固なものだ。
言語学者といえども、この桎梏を脱するのは並大抵ではないだろう。
言語学者は全ての言語を冷徹に腑分け(ふわけ)できる人間だ、と思っている人も多いだろうが、
案外本人は苦心惨憺で他言語と格闘しているかもしれないのである。
スポンサーサイト

テーマ : 言語学・言語論
ジャンル : 学問・文化・芸術

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

プロフィール

井上孝夫

Author:井上孝夫
多言語の学習・研究、多言語読書を長年続けています。著書に新潮新書『世界中の言語を楽しく学ぶ』『その日本語、ヨロシイですか?』あり。マンガ・イラストの別ブログ「スケッチ貯金箱」もやっています。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード