ベアトリーチェ登場

『神曲』煉獄篇第30歌、
ついにベアトリーチェが登場した。
天国の入り口であろうか。

Io vidi già nel cominciar del giorno
La parte orïental tutta rosata,
e l’altro ciel di bel sereno addorno;
e la faccia del sol nascere ombrata,
sì che per temperanza di vapori
l’occhio la sastenea lunga fiata:
così dentro una nuvola di fiori
che da le mani angeliche saliva
e ricadeva in giù dentro di fori,
sovra candido vel cinta d’uliva
donna m’apparve, sotto verde manto
vestita di color di fiamma viva.

夜が明けるとき、私は見た、
東方の空が薔薇色に染まり
それより他の空は澄み渡り。
上る朝陽はまばゆさも和らぎ
靄に包まれて、
私の目はひたと見つめていた。
そうして花の雲の上、
天使の手にて上へ下へ
車の中へ入ったり出たり、
オリーブで囲まれた純白のヴェールの上に
緑のマントを羽織った女が現れ
その服は燃え盛る炎の色。
(訳・井上)


地獄篇、煉獄篇前半から中盤と、
暗いイメージの描写が多かったところへ、
いきなりこのイメージ。
非常にあざやかで美しく感じる。
絵画的な効果がすばらしい。
このシーンを画像検索で探したが、
具体的なイメージとして正確に描いた絵はなかなか見つからない。
なんとなくイメージが違ったり、色合いが違ったりする。
もっとも私の訳に誤解があるのかもしれないので、
あれこれ言うつもりはないが。

この後、ダンテは彼女に叱られたりするらしい。
あんまり知識・情報先行になっても面白くないので、
なるべく解説の類は読まないようにしておこう。
スポンサーサイト

テーマ : 洋書多読
ジャンル : 学問・文化・芸術

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

No title

各文末が -o/a, -i/a, -o/a と韻を踏み、そして、音読すると、各語がちゃんと据わっている、内的リズムを持っていますね。

Re: No title

> 各文末が -o/a, -i/a, -o/a と韻を踏み、そして、音読すると、各語がちゃんと据わっている、内的リズムを持っていますね。

>そうですね。韻を踏み、音節数も調整し、長大な詩を構築するのは天才の力技でしょう。その真価を本当に味わえているとは言えないですけれども(本当に難しいです)。
プロフィール

井上孝夫

Author:井上孝夫
多言語の学習・研究、多言語読書を長年続けています。著書に新潮新書『世界中の言語を楽しく学ぶ』『その日本語、ヨロシイですか?』あり。マンガ・イラストの別ブログ「スケッチ貯金箱」もやっています。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード