ホジェン語

さて、ニヴフ語の次は、ホジェン語である。
どういう言語なのか知らなかったが、
東シベリア・沿海州・サハリンから中国北部に分布するツングース諸語に属するという。
言語学大辞典の「ツングース諸語」を調べてみたが、見当たらない。
しかし詳細に見ていくと、ナナーイ語の中国に分布する一方言という扱いであった
(中国語では赫哲語、と書く)。
しかし『日本語の隣人たち』の説明では、同じツングース諸語のウデヘ語やオロチ語に近いのだという。
しかしナナーイ語もウデヘ語もオロチ語も知らないのだから、
何が何やらチンプンカンプン、である。
唯一、中国・清王朝の言語、満州語なら勉強したことがあるので、
何となくどういう性質の言語かの感触は想像がつく。
満州語は、日本語などと同様膠着語である。
名詞に格助詞がつき、動詞は人称活用しない。
語彙は全く違うが、言語の振る舞い方は、比較的日本語に近い。
動詞が人称活用しない膠着語、という点で、
朝鮮語、モンゴル語、日本語、満州語は共通点を持っている。
これが歴史的にどういう意味を持つか、は、専門家の研究にお任せするが、
少なくともタミル語などのドラヴィダ諸語や、トルコ語などのチュルク諸語、
フィンランド語、ハンガリー語などのフィン・ウゴール語派など、
動詞の人称活用を持つ他の膠着語との大きな違いである点は興味深い。

話が逸れた。
ホジェン語、である。
まだちらりと見ただけなのだが、やはり満州語などと感触の点では似ているような気がする。
日本人にはとっつき易い言葉であろう。
といっても話者は4600人程度だそうだから、実用性は期待しない方がよさそうだ。
でも4600人でも、歴史の中で受け継がれてきた立派な一言語である。
一フレーズの中に秘められた、人々や言葉の命を思いながら学習したい。
『日本語の隣人たち』にCDがついているのは、その点素晴らしいと思う。
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テーマ : 言語学・言語論
ジャンル : 学問・文化・芸術

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井上孝夫

Author:井上孝夫
多言語の学習・研究、多言語読書を長年続けています。著書に新潮新書『世界中の言語を楽しく学ぶ』『その日本語、ヨロシイですか?』あり。マンガ・イラストの別ブログ「スケッチ貯金箱」もやっています。

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