現代東アラム語(その2)

先日述べた現代東アラム語の簡略文法を一応終えたが、
これはまことに簡単なものなので、『言語学大辞典』の、
「現代東アラム語」の項目も参考に見る。
こちらは周辺諸方言も取り込んだ概括的な説明で、やや専門的である。
ここに述べられている形と、上記の文法での形が若干違う点もあるが、
これは方言記述の性格上しかたがないだろう。
動詞の分詞形など、上記文法には記載のない項目もあるが、
なにしろ概論であり、史的な要素も入っているので、
言語それ自体を知るのに役立つ、という記述とは違う。
むしろ、まとめた文法の、その語派全体における位置付けなどを確認する、といった感じである。
セム語族の内で、未完了形の動詞活用が語尾だけになっている、というのは
現代東アラム語のきわだった特徴のように思うが
(古いアラム語では、アラビア語・ヘブライ語と同様、前接辞、接尾辞、語中変化を含む全体的な変化をする)、
他のセム語族の少数言語ではどうなのだろう。
これ以上この言語を見る機会もないかもしれないが、
こういうポイントを一つでも掴めれば、これはこれで自分には意味がある。
こういうのは、実用とは関係ない言語一般の性質や変化の仕方などに関わる、
言語に対する純粋な興味とでもいったものである。
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テーマ : 言語学・言語論
ジャンル : 学問・文化・芸術

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井上孝夫

Author:井上孝夫
多言語の学習・研究、多言語読書を長年続けています。著書に新潮新書『世界中の言語を楽しく学ぶ』『その日本語、ヨロシイですか?』あり。マンガ・イラストの別ブログ「スケッチ貯金箱」もやっています。

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