ダンテ『神曲』煉獄篇つづき

引き続き『神曲』煉獄篇を読んでいる。
その第7歌。
煉獄の2番目の環に入ろうとする時、天使がその道(階段)を示す。

A noi venìa la creatura bella,
biancovestito e ne la faccia quale
par tremolando mattutina stella.
Le braccia aperse, e indi aperse l’ale:
disse: «Venite: qui son presso i gradi,
e agevolmente omai si sale.
(美しき者、我らに向かい来たり。
白き衣を纏い、顔には朝の星きらめくが如し。
両腕を広げ、翼を広げて
曰く、「参られよ。階(きざはし)はこちらに。
もはや楽々と登れましょう。」)
〔井上・訳〕

『神曲』では地獄篇のことがよく語られるように思う。
地獄で描写されるさまざまの人間の悪行が、分かりやすいからかもしれない。
一方、神聖さというものは、ほとんどこの世から絶えてしまったかのような感じで、
実感しにくいかもしれない。
しかし私には、むしろこの天使の描写に見られるような
神々しいまでの清廉さ・神聖さの方が新鮮に感じられた。
中世のヨーロッパの方が、残酷なことというのは多かったように思う(偏見だろうか)けれども、
現代の私たちの方が、情報としての「悪」には少々「すれっからし」になっていて、
あまりインパクトを感じないのだろうか。
とにかく、煉獄・天国と上っていく中で、
「神々しさ」というものがどう描写されるのか、
むしろそれに期待する気持ちが今は大きい。
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テーマ : 洋書多読
ジャンル : 学問・文化・芸術

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プロフィール

井上孝夫

Author:井上孝夫
多言語の学習・研究、多言語読書を長年続けています。著書に新潮新書『世界中の言語を楽しく学ぶ』『その日本語、ヨロシイですか?』あり。マンガ・イラストの別ブログ「スケッチ貯金箱」もやっています。

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